子供のころから急かされるのが大嫌いだった。
だから今も大嫌いだ。
急かすことを示す言葉の最も代表的なものが「早くしなさい」、だろうか。
とにかく急がされる言葉を耳にするといまでも、心がどんどん沈んでいく。
僕の場合、厄介なことに、大昔母親に言われ続けた「早くしなさい(方言では、早よしい)」が
無意識化に住み着いているのか、
誰に早くしろと言われているわけでもないのに、
何をするにしても「早くしなきゃ」と常に焦っているのだ。
仕事はもちろんのこと、食事をしていても、トイレに入っていても、常に何かに追われているかのごとく、焦っている。
休憩しているとき、ちょっとお茶しているときでも、「早く済ませなきゃ」と心のどこかで感じている。
だから、休んでいるとき、休んでいるつもりでも、実は休めていない。
心ひそかに常に焦っているので、心が休まる瞬間がないのだ。
眠る前にも、「はよ寝なあかんな」と思うし、朝になれば当然「早よ起きなあかん」だ。
自分でもとても嫌なんだけど、自分の心の中に「早くしないと」が染みついていて、無意識に「早くしている」。
不安とうつをわずらっている方は、僕もそうだけど、焦燥感に苦しむ人が多い。
全ての人がそうなのかは知らないけれど、僕の場合、精神的な病気になる前から、何事においても常に「焦っていた」ことは事実だ。
だから、心の病気の発症後、この焦る感覚がかなりひどくなった。今でも焦るし、早くしなきゃって思っているし、
早くできない自分を責めているときがある。
だから、すでに日頃から精いっぱい焦っているし、急いでいるので、
「急かされる」ことが、嫌いなのだ。
僕も、気持ちの上で常に全力疾走しているところに、さらに急かされ(と感じる)ることで、心がパンクしてしまったんだろうと思う。
人生は時間そのものなんだろうし、時間は大切なものだと思う。
でも、だからといって早くすることばかりじゃなく、本心と向き合うことに時間をじっくり使ってみることが、自分の人生の中にあってもいいんじゃないかと、この頃思う。