うつの方の症状の一つで、これもよく聞くものの一つだけど、
いろんなことへの「興味関心が失われてしまう」というのがある。
僕自身、不安障害とうつの症状が最もひどかった時、
本当にありとあらゆるものへの関心がなくなってしまって、
楽しみや癒しや慰めになるものがなく、かなりつらかった。
仕事に集中し、仕事がうまくいっていた時は、自分がこんな風になるなんて、考えても見いなかった。
でも、それほどまでに、仕事に自分の生活のすべてを依存していたともいえる。
不安障害とうつの症状に悩まされる前、仕事以外で自分が楽しみにしていたもの、
好きな音楽を聴いたり、映画を見たり、テレビを見たり、食べたいものを食べたり、
旅行へ行ったりすることなど、
ほぼすべてに、興味がなくなった。
人間が生きるうえで必要な欲求自体が弱ったと思う。
ちなみに三大欲求のうちの、食欲、性欲もなくなり、継続してあるのは睡眠欲のみ。
しかもその睡眠でさえ、早朝3時か4時に激しい動悸で覚醒してしまうので
本当につらかった。
今はどちらかといえば過眠状態にある感じ。10時間は寝ないと頭がぼんやりする感じ。
食欲はなく、体重が70キロから52キロまで、約6か月間の間に激しく落ちた。
食欲と睡眠欲が満たされることがないので、性欲に関しては、まったく考えも及ばない状態だった。
そんな感じなので、これからの人生、いったい自分が何を楽しみに、また喜びにして生きればいいのか全くわからなくなった。
こまかいことだけど、具体的に言うと、テレビが全く観れなくなった。以前ならバラエティー番組なども観ていたのだけど、全く観たくなくなってしまった、というよりも、
目にうっとうしく、耳にやかましいと感じ、しんどくなって見ていられないのだ。
たぶんテレビを見ると、目と耳から入る情報量に頭が付いていかなくて、
思っている以上にエネルギーを消耗するのだと思う。
特に、暗い痛ましいニュースや事故・災害の報道は心理的に苦痛を感じるので、今でも見ないようにしている。
最近の豪雨や台風被害、事件・事故などのニュースも、ネットのニュース等で見出しこそ目にするけれど、詳細を読むことができない。
うまく書くことができないけれど、報道・ニュース内容と心理的な距離を保つことができない状態なんだと思う。
不安障害とうつだと診断されてから、はじめてまともに耳にできた音楽がスピッツだった。割れて壊れた心にしみるようだった。泣けて仕方なかった。
不安障害とうつになる前は、出来ていないことを出来るようになるために必死だった。
今は、自分が楽しい、うれしいと思える事がすこしずつ、できるようになるといいなと思っている。